本年3月、弊社は「イペリア 7 VR-T DX ProMRI」を発売しました。「イペリア 7 VR-T DX ProMRI」は「イペリア 7 ICD ProMRIシリーズ」の中の一つのモデルです。この「イペリア 7 ICD ProMRIシリーズ」は、従来のMRI対応CIEDs (心臓血管植込み型電子デバイス)のように1.5T MRI検査に対応するだけではなく、3.0T MRI検査にも対応することが可能となった世界初の条件付きMRI対応ICDシリーズです。この度、デュアルチャンバモデルなど全ての「イペリア 7 ICD ProMRIシリーズ」を日本へ導入することに成功しました。これによりICDを必要とする全ての患者様に、1.5Tおよび3.0T両方のMRI検査に対応するICDを提供することが可能になりました。
現在、国内において、3.0TのMRI検査は急速に普及しております。2011年末に全国で335台稼働していた3.0TのMR装置は、約3年間で2.4倍の810台まで普及拡大しています。*2その普及スピードは非常に急速なものであり、とくに全国で414施設存在する*3ICD認定施設(ICDを植込むための要件を満たし、ICDの植込みが許可されている施設)においては、実にその約半数に相当する223施設で既に3.0TのMR装置が稼働しています。*4このように急速に3.0T MR装置が普及している現在、植込み型デバイスが1.5Tおよび3.0T両方のMRI検査に対応可能であることは、患者様がCIEDsを植込んでいない方々と同等の臨床的ベネフィットを享受できることにつながり、患者様に大きな安心を提供できると我々は確信しています。この度の製品発売に関して、久留米大学病院 心臓・血管内科 講師 大江征嗣先生は「3.0Tと1.5Tの両MRI検査が可能なイぺリア7VR-T DX ProMRIが日本で使用可能になった2015年3月から、わずか半年という早さでデュアルチャンバ型ICDも使用できるようになったことの意義は大きいと思います。3.0Tと1.5Tの両検査に対応するデュアルチャンバ型ICDは、上室性不整脈によるICD不適切作動の回避のみならず、徐脈に対する心房ペーシングの必要性がある症例にも対応できるため、生理的ペーシングを保つ観点からも重要な機種です。特に、診断能が向上する3.0T検査にも対応するICDの製品ラインアップを拡充することは、患者様はもとより、医療従事者にも福音をもたらすと思います。」と述べていらっしゃいます。
加えて「イペリア 7 ICD ProMRIシリーズ」には、近年の潮流である遠隔モニタリング(BIOTRONIK Home Monitoring®)機能が搭載されています。BIOTRONIK Home Monitoring®は、患者様に植込まれたデバイスから、ICDシステムの状態や不整脈をはじめとする生体情報を毎日、全自動ワイヤレスでサーバーに送信するシステムです。医療関係者はこれらの情報をPC等からインターネットを介して遠隔で確認することができ、患者様の不安を軽減できる可能性と、更には無症候性心房細動などの早期発見、および早期治療介入を実現できる可能性があります。また本年5月からは、従来型の据え置き型データ送信機ではなく、手軽に持ち運びが可能となる「カーディオメッセンジャー CM Smart 3G」に対応しております。今まで以上に毎日の継続したデータ送信の実現に貢献します。
バイオトロニックジャパン株式会社について
バイオトロニックジャパン株式会社は、ドイツ・BIOTRONIK社の心疾患治療技術をいち早く日本に導入するため、2003年10月に日本ビオトロニック株式会社として設立された日本法人です。2005年9月にバイオトロニックジャパン株式会社と改名しました。ドイツ企業特有の技術力と製品開発力、医師、コメディカルおよび患者さんのニーズを素早く反映するスピードを活かし、今後も日本における先端技術のイノベーションを目指して活動しています。
http://www.biotronik.jp
*1 2015年3月現在BIOTRONIK調べ
*2 矢野経済研究所「2014年 機能別ME機器市場の中期予測とメーカーシェア」
*3 日本不整脈デバイス工業会調べ(2014年12月)
*4 BIOTRONIK調べ